カーボンシャフトの長さの選び方|29インチ・30インチの違い
カーボンシャフトの長さはどう選べばいい?
カーボンシャフトを選ぶとき、11.5mmや12mm、重量、ローデフレクションなどはよく比較されます。
一方で、意外と見落とされやすいのが「シャフトの長さ」です。
カーボンシャフトには29インチ前後をはじめ、さまざまな長さの製品があります。
「29インチと30インチでは何が違う?」
「長いシャフトのほうが性能が良い?」
「身長が高い人は30インチを選ぶべき?」
と疑問に思う人もいるでしょう。
実際には、シャフトの長さだけで優劣を決めることはできません。
バットの長さ、キュー全体の長さ、重量、バランスポイント、構え方、ストロークなどとの組み合わせによって、適した長さは変わります。
この記事では、カーボンシャフトの長さについて、29インチと30インチの違い、長さによるバランスへの影響、初心者の選び方、シャフト交換時の注意点まで詳しく解説します。
カーボンシャフトの長さとは?
ビリヤードのシャフトは、バットと接続して一本のキューとして使用します。
一般的なカーボンシャフトでは、インチ単位で長さが表示されることがあります。
例えば、
29インチ
30インチ
といった表記です。
1インチは2.54cmなので、
29インチ ≒ 73.66cm
30インチ ≒ 76.20cm
となります。
差は約2.54cmです。
数字だけを見ると小さな違いですが、キュー全体の長さやバランスが変わるため、プレーヤーによっては違いを感じることがあります。
29インチと30インチ、どちらがおすすめ?
結論から言えば、どちらが優れているというものではありません。
現在使用しているキューの長さや、自分のストローク、構え方などを基準に選ぶのがおすすめです。
29インチは比較的スタンダードな選択肢として考えやすく、現在の一般的なキューセッティングから大きく変更したくない人にも向いています。
一方、30インチは少し長めのシャフトを求めるプレーヤーが検討できます。
特に、ブリッジを長めに取る人や、シャフトの長さに余裕が欲しい人にとって候補になるでしょう。
ただし、「30インチのほうが必ずストロークしやすい」という意味ではありません。
29インチの特徴
29インチは、カーボンシャフトを初めて購入する人にも比較しやすい長さです。
現在使っているキューが標準的な長さで、特に長さに不満がないのであれば、29インチから検討する方法があります。
メリットとして考えられるのは、
・現在のセッティングから変更しやすい
・長すぎるシャフトが苦手な人でも扱いやすい
・一般的な長さのキューから移行しやすい
・重量やバランスを比較しやすい
といった点です。
もちろん、実際のフィーリングは製品によって異なります。
30インチの特徴
30インチは29インチより約2.54cm長いシャフトです。
このわずかな違いでも、キュー全体の長さやバランスに影響する可能性があります。
長めのシャフトを好む人には、
・ストロークのスペースを確保しやすい
・長めのキューが好みに合う
・ブリッジを長く取るスタイルと相性が良い場合がある
などのメリットがあります。
ただし、長いからといって誰にでも適しているわけではありません。
キュー全体が長くなれば、これまで使っていたキューとは構えたときの感覚が変わる可能性があります。
シャフトが長いほど性能が高い?
これはよくある誤解です。
シャフトが長いこと自体が、高性能を意味するわけではありません。
カーボンシャフトの性能は、
・素材
・内部構造
・先端径
・テーパー
・フェルール
・チップ
・重量
・製造精度
など複数の要素によって決まります。
したがって、
「30インチだから29インチより高性能」
とは言えません。
重要なのは、自分のキューとプレースタイルに適しているかどうかです。
シャフトの長さとキュー全体の長さ
シャフトだけを長くすると、基本的にはキュー全体の長さにも影響します。
例えば、同じバットに29インチのシャフトを付ける場合と30インチのシャフトを付ける場合では、完成したキューの長さが変わります。
そのため、現在のキューの全長を確認しておくとよいでしょう。
特にケースを使用している場合は、収納スペースについても確認しておくと安心です。
シャフトの長さとバランスポイント
長さを変更すると、キューのバランスも変化する可能性があります。
例えば、同じ重量のシャフトでも、長さや重量分布が異なれば、構えたときの感覚は変わることがあります。
また、シャフトの重量が違えば、さらにバランスに影響します。
そのため、
「29インチから30インチに変える」
という変更は、単に2.54cm長くなるだけではありません。
重量、バランスポイント、キュー全体の長さを合わせて考えることが大切です。
身長が高い人は30インチがおすすめ?
必ずしもそうではありません。
身長が高いから30インチ、身長が低いから29インチという単純な基準はありません。
ビリヤードでは、身長だけでなく、
・構え方
・腕の長さ
・ブリッジの長さ
・ストローク
・プレースタイル
・現在使用しているキュー
なども関係します。
そのため、身長だけを基準にシャフトの長さを決めるのはおすすめしません。
初心者は何インチを選ぶべき?
初めてカーボンシャフトを購入する初心者なら、まず現在使用しているキューの長さを基準にすると分かりやすいでしょう。
現在のセッティングに問題がないのであれば、いきなり長さを大きく変える必要はありません。
例えば現在29インチを使っているなら、最初のカーボンシャフトも29インチを候補にすると、素材の違いを比較しやすくなります。
逆に、現在のキューが短く感じていて、ストロークのスペースを増やしたい場合は、30インチを検討する価値があります。
メープルシャフトからカーボンへ交換する場合
メープルシャフトからカーボンシャフトへ交換するときは、長さを大きく変えない方法もあります。
例えば、
現在:29インチ メープル
交換後:29インチ カーボン
という組み合わせです。
この場合、シャフト素材を変更しながら、長さによる変化をできるだけ抑えられます。
一方、
29インチ メープル
↓
30インチ カーボン
と変更すれば、素材と長さの両方が変わります。
もちろん、それ自体に問題はありません。
ただ、初めてカーボンを試す人にとっては、どの変化がフィーリングに影響したのか分かりにくくなる可能性があります。
11.5mm・12mmと長さは別の問題
シャフト選びでは、
「11.5mmか12mmか」
と
「29インチか30インチか」
を混同しないようにしましょう。
先端径とシャフト長は別の仕様です。
例えば、
11.5mm × 29インチ
11.5mm × 30インチ
12mm × 29インチ
12mm × 30インチ
のように、異なる組み合わせがあります。
そのため、「11.5mmだから29インチ」という決まりはありません。
自分の目的に合わせて、径と長さをそれぞれ選ぶことが大切です。
長さと重量はセットで考える
シャフトの長さを比較するときは、重量も確認しましょう。
29インチと30インチで重量が違えば、キュー全体のバランスにも影響する可能性があります。
特にシャフト交換では、
シャフト長
+
シャフト重量
+
バット重量
+
バランスポイント
をまとめて考えることが重要です。
「30インチだから長い」
だけで判断せず、完成したキュー全体がどうなるかを考えてみましょう。
ローデフレクションは長さだけで決まらない
シャフトが長いからローデフレクションになる、というわけではありません。
ローデフレクションは、シャフト前方の質量、フェルール、チップ、テーパー、内部構造など複数の要素に関係します。
そのため、ローデフレクションを重視する場合は、シャフトの長さだけを見るのではなく、メーカーが公開している設計情報や性能説明を確認しましょう。
「30インチだからローデフレクション性能が高い」
「29インチだからローデフレクションではない」
といった判断は避けるべきです。
BIZUの29インチカーボンシャフト
BIZUでは、29インチ・11.5mmのカーボンファイバーシャフトを展開しています。
現在使用しているキューが29インチ前後のシャフトを採用している場合、長さを大きく変更せずにカーボンシャフトへ交換したい人にとって、一つの候補になります。
また、BIZUのカーボンファイバーシャフトでは、SGSによる剛性・ラジアル一貫性試験が実施されています。
試験では最大剛性差2.06mmとなり、設定された3.82mm未満の基準を満たしてPASSとなっています。
さらに、60℃、25℃、-10℃を含む5サイクルの環境シミュレーションでもPASSとなり、部品の緩みや接着不良が確認されなかったという試験結果があります。
こうした情報は、カーボンシャフトの品質を検討する際の参考材料になります。
ただし、これらの試験は主に剛性・ラジアル一貫性や環境シミュレーションに関するものであり、シャフトの長さやローデフレクション性能そのものを証明するものではありません。
長いシャフトが向いている人
30インチなどの長めのカーボンシャフトを検討しやすいのは、
・長めのキューが好き
・ブリッジを長めに取る
・現在のシャフトが短く感じる
・キュー全体の長さを少し伸ばしたい
・長めのシャフトを使うことに慣れている
といったプレーヤーです。
ただし、長さを変える場合は、全体のバランスも確認しましょう。
29インチが向いている人
29インチを選びやすいのは、
・現在29インチを使っている
・標準的な長さから大きく変更したくない
・初めてカーボンシャフトを試す
・素材だけ変更したい
・現在のキューの長さに不満がない
という人です。
特に初めての交換では、現在のシャフトと同じ長さからスタートする方法は分かりやすい選択です。
カーボンシャフトの長さ選びでよくある失敗
一番避けたいのは、「長いほうが良い」という理由だけで30インチを選ぶことです。
長さが変われば、キュー全体の感覚も変わります。
また、
「身長が高いから長いシャフト」
と決めてしまうのもおすすめできません。
さらに、ジョイントの確認を忘れるのも大きな問題です。
購入前には、
・ジョイント
・シャフト長
・重量
・先端径
・チップ
・テーパー
をまとめて確認しましょう。
購入前のチェックリスト
カーボンシャフトを購入する前に、次の項目を確認してみてください。
□ 現在のシャフト長を確認した
□ 29インチか30インチかを比較した
□ シャフト重量を確認した
□ キュー全体の重量を確認した
□ バランスポイントを考えた
□ 11.5mmか12mmか確認した
□ ジョイントが対応している
□ テーパーを確認した
□ チップとフェルールを確認した
□ 保証・返品条件を確認した
これだけ確認すれば、長さだけを見て購入する失敗を減らせます。
よくある質問
Q. 29インチと30インチはどちらが良いですか?
どちらが優れているというものではありません。
現在のキューの長さ、ブリッジ、ストローク、好み、バランスなどを基準に選ぶのがおすすめです。
Q. 身長が高い人は30インチが必要ですか?
必ずしも必要ではありません。
身長だけでなく、腕の長さ、構え方、ブリッジ、ストロークなどを含めて考える必要があります。
Q. 30インチのほうがローデフレクションですか?
長さだけでローデフレクション性能を判断することはできません。
シャフト前方の質量、フェルール、チップ、テーパー、内部構造などが関係します。
Q. 初心者は29インチと30インチのどちらがおすすめですか?
現在使用しているキューと同じ長さから始める方法が分かりやすいでしょう。
現在29インチなら29インチ、現在30インチなら30インチを候補にすると、長さによる変化を抑えやすくなります。
Q. 11.5mmと12mmでシャフト長は変わりますか?
先端径と長さは別々の仕様です。
11.5mmにも29インチ・30インチなど複数の長さがあり、12mmにも複数の長さがあります。
Q. メープルからカーボンへ交換するとき、長さも変えるべきですか?
必ず変える必要はありません。
初めてカーボンへ移行する場合は、現在のシャフトと同じ長さを選ぶことで、素材の違いを比較しやすくなります。
まとめ
カーボンシャフトの長さを選ぶとき、29インチと30インチのどちらが「高性能」なのかを考える必要はありません。
重要なのは、自分のキューとプレースタイルに合っているかどうかです。
特に確認したいのは、
シャフト長
シャフト重量
キュー全体の重量
バランスポイント
先端径
ジョイント
です。
初めてカーボンシャフトへ交換する場合は、現在使用しているシャフトと同じ長さから始めると比較しやすいでしょう。
一方、現在のシャフトが短く感じる、もう少し長いストロークスペースが欲しいなど、明確な目的があるなら30インチなどの長めのシャフトを検討する価値があります。
29インチと30インチの差は約2.54cm。
小さな数字に見えても、キュー全体の長さやバランスが変われば、プレーヤーによってはフィーリングの違いを感じることがあります。
だからこそ、長さだけで判断せず、重量・径・ジョイント・テーパー・チップまで含めて選ぶことが大切です。
自分が現在使っているキューを基準にして、必要な長さを選ぶ。
これが、カーボンシャフト選びで失敗しにくい方法です。